喜入基地には年間約300隻もの大型タンカーが入港し、基地の原油桟橋を通して陸上タンクと原油の移送が行われています。
入港するタンカーは全長およそ300メートルにもおよび、操船性が限られるため自力で桟橋への接岸・離岸を行うことは困難です。そこで当社が保有する曳船(タグボート)が活躍します。
当社はタグボートを駆使し大型タンカーを側面から押したりロープで引くなどして、安全かつ確実に原油桟橋への離着桟をサポートしており、基地の円滑な原油輸送と安全な作業環境の維持に貢献しています。
タンカーの着桟作業時は、接岸スピードの調整が非常に重要です。
スピードが速すぎると、接岸時の衝撃によってタンカーや桟橋が損傷する恐れがあり、スピードが遅すぎても荷役作業に遅れが生じるため、他のタンカーや次の目的地のスケジュールにも大きな影響を及ぼします。そのため、正確かつ迅速、そして安全な離着桟には高度な技術が求められます。
このような繊細な操船には、豊富な経験と高い技術が不可欠なため、当社には、大型タンカーの船長経験を持つ操船のスペシャリスト「ムアリングマスター」が常駐しています。
ムアリングマスターがタグボートへ的確な指示を出すことで毎秒5cm以下という厳密な速度管理を実現し、安全かつスムーズな離着桟を実現しています。
当社は「水際のスペシャリスト」として、タグボートのほかにも喜入基地周辺でのさまざまな海上業務に対応する各種船舶を保有しています。
資機材や食料品の運搬、タンカー乗組員の送迎、タンカーへの潤滑油納入など、多岐にわたる船舶運航業務を行い、安全で円滑な航海・荷役を支えています。
各船舶の役割や写真については、「保有船舶」ページで詳しくご紹介します。